見えないけれど確実に潜む――エアコンに潜むカビの種類と健康への影響

基本知識

「エアコンの風がなんだかカビ臭い…」「使い始めたら喉が痛くなる」
そんな違和感を覚えたことはありませんか?

実はエアコン内部は、カビが繁殖しやすい環境がそろっています。
しかも、見えないからこそ放置されやすく知らぬ間に健康を害していることも。

この記事では、エアコン内部に潜むカビの種類と、それぞれが引き起こす健康リスクについて詳しく解説します。

この記事を読むとわかること

  • エアコン内部に潜む代表的なカビの種類と特徴
  • それぞれのカビが引き起こす健康へのリスク
  • 日常的にできるカビ対策と予防のポイント

エアコン内部に潜むカビの種類|4つの代表的なタイプ

①クラドスポリウム(Cladosporium)

黒カビの代表格で、見た目は黒〜暗緑色
送風ファンや吹き出し口で最も多く見つかり、アレルギーや喘息の原因になりやすいカビです。

②アスペルギルス(Aspergillus)

青カビや白カビの一種で、エアコン内部の湿った場所に多く発生
免疫力の弱い人や子ども、高齢者ではアレルギー性鼻炎や真菌感染症の原因になることも。

③ペニシリウム(Penicillium)

抗生物質ペニシリンの元にもなった青カビで、空気中に浮遊しやすく皮膚疾患・気管支炎・アレルギーを引き起こすケースがあります。

④アルテルナリア(Alternaria)

いわゆる「ススカビ」で、カーテンや壁紙・ドレンパンなどの湿気が多い場所に繁殖。
アレルギー性鼻炎や結膜炎など、目・鼻・皮膚への刺激が報告されています。

カビが引き起こす健康被害|こんな症状に注意

①アレルギー性鼻炎・咳・くしゃみ

カビの胞子は空気中に浮遊し、呼吸とともに体内へ侵入します。
これにより、鼻水・鼻づまり・咳・くしゃみといったアレルギー症状が出ることがあります。

②喘息や気管支炎の悪化

もともと喘息を持っている方や、気管支が弱い方は、カビがトリガーとなって発作を誘発する可能性も。
特にクラドスポリウムやアスペルギルスは、気道への刺激が強いカビとして知られています。

③皮膚炎やかゆみ、結膜炎

カビに接触したり、長時間吸い込んだりすると、皮膚トラブルや目のかゆみ・充血などが現れることがあります。
特にペニシリウムやアルテルナリア皮膚や粘膜への刺激性が高いとされます。

④免疫力低下時の真菌感染症

小児・高齢者・病中病後など免疫力が低下している状態では、カビによって肺炎や重度の真菌感染症を起こすことも。
これはアスペルギルス症として医療現場でも問題視されています。

見えないからこそ厄介|エアコン内部でカビが増える原因

①湿気がたまりやすい構造

エアコン内部は冷却による結露が日常的に発生しており、常に湿度が高い状態です。
特にドレンパン・熱交換器・送風ファンまわりは、カビにとって理想的な環境になっています。

②フィルターや内部のホコリが栄養源になる

カビはホコリや油分、皮脂などの汚れをエサにして繁殖します。
掃除されていないフィルターやファンの汚れは、カビの繁殖を加速させる要因です。

③冷房後に電源を切ると内部が湿ったまま

冷房や除湿を使ったあと、送風や内部乾燥をせずに電源を切ると、湿気が内部に残ったままになります。
これがカビの定着・増殖に直結します。

④自動お掃除機能だけでは取り切れない

多くの方が過信しがちですが、自動お掃除機能が掃除するのは主にフィルター表面のみ。
内部のファン・熱交換器・ドレンパンには手が入らないため、カビは蓄積され続けます。

健康被害を防ぐために|今すぐできるカビ対策

①月1回のフィルター掃除を習慣にする

フィルターにホコリが溜まると、カビのエサになるだけでなく空気の通りも悪くなります。
最低でも月に1回はフィルターを取り外して水洗いするようにしましょう。

②冷房・除湿後は「送風モード」で乾燥させる

エアコン内部の湿気を飛ばすことで、カビの定着を予防できます。
冷房を切ったあとは30分~1時間の送風運転をおすすめします。

③内部清掃はプロに定期依頼を

送風ファンやドレンパンなど、自力では掃除できない部分にこそカビが潜んでいます
1〜2年に1度のエアコン内部クリーニングで、健康リスクを大幅に下げられます。

④風が臭う・体調が悪くなる前にチェックを

「カビ臭い」「喉がイガイガする」などのサインを見逃さず、早めの対処を心がけましょう。
小さな異変を放置すると、大きな健康被害につながる恐れがあります。

エアコン内部のカビは“見えないけれど確実にリスク”

黒カビ・青カビなど複数のカビが混在し健康を脅かす

エアコンには複数種類のカビが繁殖しており、それぞれがアレルギーや感染症の原因になります。
特に免疫の弱い人には深刻な影響を及ぼす可能性もあります。

カビの発生源は湿気・ホコリ・構造上の特性

湿ったままの内部や、汚れたフィルターはカビの温床
構造上カビが付きやすい部分への定期的な対処が欠かせません

小さな対策の積み重ねが“空気と健康”を守る

フィルター掃除・送風運転・プロによる内部洗浄など、日々の意識と習慣がカビを防ぎます。
快適で安全な室内環境を維持するには、カビ対策が不可欠です。

この記事のまとめ

  • エアコン内部には黒カビ・青カビなど複数のカビが繁殖
  • カビはアレルギーや気管支炎などの健康被害を引き起こす
  • 定期的な掃除と送風習慣、プロ清掃が効果的な対策

コメント

タイトルとURLをコピーしました